MONOmonologue pt.2MONOmonologue(http://mono-mono.jugem.jp/)のパート2です。

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    名盤との距離 12:00
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      ジャズを聴き始めた頃、どのレコードを聴いたら良いか分からなかった。

      教えてくれる人もいなかった。
      名盤100選といった入門書を読んで、これは、と思うレコードに目星をつけ、中古レコード店へ行ってはこつこつ買った。
      ジャズを聴き始めてみると、いろいろなタイプのジャズがあることを知った。
      スイング、ビバップ、ハードバップ、クール、モード、フリーなどなど。
      一聴して好きになるレコードから、いまいちなのから、とても聴いていられないのから、分からないなりに気になるものなどさまざまだった。
      一枚一枚一生懸命聴いた。
      そうやって手に入れたレコードの多くは、ジャズ好きならたいてい知っているようなレコードだった。
      ジャケットを見れば、ああこれね、と分かるくらいに。

      そんな、誰でも知っているレコードを「名盤」というのではないか。

      「名盤」とは、たぶん素晴らしいレコードのことだ。
      多くの人が高く評価しているレコードということだろう。
      有名な評論家や名のあるミュージシャンが「良い」と言っているレコードのことだ。
      しかし、誰かにとっての名盤が、私にとっての名盤とは限らない。

      名盤を聴いて、好みじゃなかったり好きになれないと悔しい。
      なので、繰り返し聴いてみる。
      聴いているうちに分かってきたら嬉しい。
      何度も何度も聴いて、やっとわかるレコードがある。
      一方で、何度聴いても、努力の甲斐なくレコード棚の奥にしまわれてしまうレコードもある。
      忘れた頃にあらためて聴きその良さに気づく、なんてこともたまにはあるが。

      ジャズを聴きだしてしばらくたった頃、名盤を買うことが急に恥ずかしくなった。
      誰でも知っているようなレコードを買っているのはジャズ初心者にしか見えないのでは? と格好悪く思われたのだ。
      自分はジャズをちょっと知ってるんだからね、ということを態度で示したい時期だったのだろう。
      マイナー盤を買ってこそジャズ通って訳だ。
      つまり私は、若かったし青かった、ということだ。
      今となっては、超有名なレコードであっても、恥ずかしげもなくレジに向かうことが出来るようになった。
      自分の成長(老い?)を実感する瞬間である(笑)

      名盤との付き合い方は難しい。
      年齢によっても名盤との距離感は変わってくる。

      かつての私はバラードが苦手だった。
      アップテンポな、いわゆるゴリゴリなハードバップが好きで、それだけをジャズに求めていた。
      「ウィズ・ストリングス? ちょっと待ってよ」なんて具合。
      アルバムの流れの中でのバラードなら仕方ないが、バラード集となると興味が持てなかった。

      JOHN COLTRANE "BALLADS" impulse! AS-32

      ジョン・コルトレーンのバラード集といえばこれだろう。
      ジャズ入門書にも紹介される、ザ名盤だ。
      向学のために、その昔CDを買ったが、ほとんど聴くことはなかった。(笑)。
      最初の曲、「Say It (over And Over Again)」のイントロからして甘すぎる、と思っていた。
      単なるムードミュージックではないか、と。

      今回レコードを入手して、じっくり聴いてみた。
      良い。
      とても良い。
      コルトレーンのサックスをシンプルに味わうことが出来る。
      一説によると、このレコード吹込時、マウスピース(リード?)の調子が悪くバリバリ吹くことができなかったのでバラード集になったとのこと。
      なるほど、メロディ重視。
      ストレートにメロディを吹いている。
      このアルバムの素晴らしさを、この齢になってようやく理解できた。
      これもまた、自分の成長(老い?)を実感する瞬間である(笑)

      このレコードを手にすることができたのは「運」である。

      入手経緯はこうだ。

      めったに行かない場所へ行く用事ができた。
      近くに中古レコード屋があることを知り立ち寄った。
      引き上げたこのレコードの値札に「赤黒、VAN GELDER」と書かれていた。

      「赤黒」とは、レコード盤の真ん中、収録曲のタイトルなどが書かれている部分(センターレーベル)のデザインの説明である。
      インパルスというレコード会社のセンターレーベルは、オレンジ→赤黒→黒→緑と、レコードのプレス時期によってデザインが変更されている。
      そして「VAN GELDER」とは、このレコードを録音・制作したエンジニア自身が原盤を手掛けたという刻印が入っている、ということ。

      このレコードは、VAN GELDER刻印よりBELL SOUND刻印のほうが多いのではなかったか?
      VAN GELDER刻印の入った盤は最初期のプレスに限られるのではないか、と。

      レジで検盤させてもらうと、まず出てきたのは初期の内袋だった。
      オっとなり、そこから取り出したレコード盤のセンターレーベルはオレンジだった。

      つまり、初期プレス。
      「!!」

      のけぞってしまった。
      両面の内溝には確かにVAN GELDER刻印が入っていた。
      ラッキー。
      まだまだレコード店の棚には夢がある!(笑)

      釣りは、「フナに始まりフナに終わる」といわれる。

      この言葉には諸説あるらしいが、子どもの頃にフナで釣りの楽しさを覚え、大人になり行動範囲が広がると、海や渓流に足を運ぶようになってフナから遠ざかっていく。
      しかし、老いてきて遠出が難しくなってくるとまた近所の小川でフナを釣るということ。


      音楽好きも、「名盤にはじまり名盤に終わる」のだろうか?

      名盤で音楽の楽しさを覚え、マイナー盤、限定盤、レア盤、海賊盤、、、そして老いてまた名盤に戻るということか。


      まあ、一理あるかも。

      いやいや、そんな言葉そもそもないって(笑)



       

       

      JUGEMテーマ:No Music, No Life

       

       

      | RECORDS | comments(4) | - | posted by mono-mono
      RIP, TOM 23:58
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        まじか。

        なんてこった。

         

        JUGEMテーマ:No Music, No Life

         

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